セキュリティソフトの真実

あまりオンラインゲームとは関係が無いがセキュリティソフトについて少し書くことにする。

先日BCNが発表した「セキュリティソフト販売本数シェアランキング」によると、07年2月の月次データで、販売本数1位はソースネクストの総合セキュリティソフト「ウイルスセキュリティZERO」、販売本数シェアは16.2%だった。

「ウイルスセキュリティZERO」は同社のセキュリティソフト「ウイルスセキュリティ」から、1年という更新期限をなくしたもの。使用可能期限は対応OSの公式サポートが終了するまでで、現在「Windows XP Home Edition」を使っている場合なら、2014年4月8日まで使用できる。通常版の価格は3970円と、同社のソフトにしては高価な部類だ。しかし2014年まで7年間使用したとすると1年あたり567円。この安さがユーザーの支持を得た理由のようだ。

しかし、同業他社の反応は冷ややかだった。「業界全体が更新料無料という流れになるとは思えない」「(そんなに安くて)安全面は大丈夫なのだろうか」といった意見や、「OSのサポート期限が切れるまで、ユーザーをサポートできるのか」といった厳しい意見もあった。(一部抜粋)

とまあ消費者は安さと安全の狭間で彷徨っているらしい。しかしまあ同業他社からこの製品について多くの賛同が得られるわけは無いのだからこの記事の書き方も少し誘導的でずるい感じはする。

ここで一つこの業界にとっての「不都合な真実」というものを一つ紹介しよう。
セキュリティソフト世界では1,2位を争うほどに有名なトレンドマイクロ社の2004年度の売り上げについてだ。もちろん上場企業なので、開示されている公式な経営資料を調べた結果である。これによると2004年度620億円の売り上げに対して原価はわずか5%の32億円、それと比較して販促管理費がなんと売り上げの半分以上、327億円をかけながら、260億円もの利益を確保している、ということだ。

例えば皆さんもパソコンを購入されたときに、3ヶ月無料で使えるセキュリティソフト等がプリインストールされていたのではないだろうか?あるいは店頭で店員にセキュリティソフトを勧められた方もいるかもしれない。そういった販売促進に使われるお金がセキュリティソフトの代金の半分を占めているわけだ。そう考えるとこの業界は案外殿様商売だった、ということではないだろうか。そこに今回「更新料無料」という一石が投じられたわけだ。個人的にはこれを機に更新料無料が主流になるんじゃないかと思っている。

ところでこのような記事を書いたからといって、私は別にソースネクスト社のウイルスセキュリティZEROを勧めているわけではない。あくまで殿様商売に一石を投じた点を評価しているに過ぎない。誤解の無いようお願いする。

しかし最近はノートンがウイルスと間違ってデータを削除する(ニュースソース)し、天下のマイクロソフト社のセキュリティソフト「Windows Live OneCare」はなんと自社製品であるoutlookのメールをすべて削除してしまうし(ニュースソース)、高いお金を払ったからといってそれに見合う安全が買えるのかどうか怪しいところがある。

ちなみに私はセキュリティソフトはAVG free Editionというフリーのセキュリティソフトを使っている。残念ながら日本語に対応していないので多少の英語力が必要になるが日本語の解説サイトもあるし、ウイルス発見率も高く、何より自己主張が少ないのでオンラインゲームの邪魔になったことは一度も無い。セキュリティソフトのせいでオンラインゲームが動かなくて困った人などは一度使ってみるといいかもしれない。

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